認知症の非薬物療法その1-生活リハビリ!part3-
はじめに
ここまで、生活リハビリのうち「料理」「掃除」を取り上げてきました。もちろん、生活リハビリはそれだけではなく、他にもたくさんあります。洗濯、洗車、庭いじり、買い物など、日常の生活の中でいつも生活リハビリは行われています。
本日は、料理や掃除以外の生活リハビリを少し取り上げてみます。
ゴルフ
ゴルフは、日常の生活で行うことではありません。ではなぜ生活リハビリなのか?
利用者さんは、一人一人ものがたりを持っています。会社員時代は何回もゴルフに行った、昔はゴルフが趣味だったという利用者さんにとって、ゴルフはものがたりに欠かせないものであり、それは生活においても欠かせないものであったのです。そのため、「ゴルフをしたい」「まだゴルフに行けるようになりたい」という思いを少しでも実現するべく、写真のような、パットパットゴルフを生活リハビリに取り入れています。
もちろん、ゴルフがあまり好きではない利用者さんに押し付けることはありません。やりたい人がやる、それが本人が楽しむ秘訣となります。デイサービスのレクリエーションや生活リハビリは、あくまで「利用者さんが楽しむこと」が最優先です。楽しくないことにはモチベーションがあがりません。
食事を食べる
「食事を食べる」こともまた、生活リハビリになります。箸を使うことは、実はとても難しいことであり、「おいしい食事を食べる」という目的がないと、リハビリにも身が入らないでしょう。そのため、まず「おいしい料理」は基本中の基本となります。
ですが、拘縮や筋力低下などで箸が持てなくなったり、嚥下機能が低下して普通食を食べることができなくなった利用者さんもいらっしゃいます。その場合でも、箸を使わなくても食べることができるように工夫した料理、見た目は普通食とほとんど変わらないが食べると舌でとろけて嚥下機能が低下している人でも十分に食事を楽しむことができる料理、こういった料理を工夫して作る必要があります。
最後に
当デイサービスでは、機能訓練士が勤務する日のみ、希望する人は機能訓練加算をとっています。しかし、ベースはあくまでも通所介護ですので、デイケアのような本格的なリハビリを行うことは簡単ではありません。しかし、通所介護でのリハビリは、デイケアでのリハビリとは違うと考えています。私たちは、まず「利用者さんが楽しむ」ことを考え、モチベーションが上がるような生活リハビリを、日々行っています。